前回の記事で費用対効果を考えて適切に外注に出すべきを書きました。
パンフレットの制作に長年携わってきたボクの見解は基本的に前回書いたとおりなのですが一方で極端に予算が少なくて外注がほとんどできない人向けに全部自分で作る場合のガイドを記事にすることにしました。
改めてネットで調べてみると費用対効果やデザインの仕上がりに目を瞑れば意外とパンフレットを自作するやり方はあるのだなと思いました。(とはいえ無料の〇〇というのは何かしら制限があることが多いです。今回は極力そういった制限のありそうなものは除外しています。)
この記事を読めば専門的なツールがなくても一応パンフレットを制作することができます。
目次
ワードやエクセルを使うのは効率が悪すぎる?
パンフレットを全部自分で作ろうとすると一番手近にあるいツールなのでワードやエクセルでなんとかできないかと考える人が多いと思います。
自社でプリントアウトしてパンフレットとして使うのであればそれでもいいかもしれません。
ただデザインをいくらがんばってもオフィスのプリンターではどうしてもみすぼらしく見えてしまいます。
これはボクも現役時代に経験があるのですがワードで作ったデータをそのまま渡されてそのまま印刷してくれ、印刷するだけだから安くしてと・・・。
ワードやエクセルといったオフィス系のソフトはそもそも開くPCによってレイアウトが崩れてしまったり、印刷用のデータに変換しようとすると不具合がでたりととてもじゃないけど印刷に回せるようなデータではありませんでした。
オフィス系のソフトでデータをもらっても却って手間がかかるだけなのでむしろ料金を上げたいくらいでした。
今では一部のネット印刷の会社ではオフィス系のソフトでも入稿を受け付けてくれるところもありますが上記の様にPCによってレイアウトが崩れてしまうので自分が作った通りに印刷されるかどうかかなり怪しいと考えています。しかも画像を重ねたり、飾りを入れてりと作り込めば作り込む程それが不具合の原因になることが多いんです(恐らくネット印刷会社では発注者にこういう風に印刷しますという見本を見せておいてレイアウトの崩れの責任を回避するような仕組みになっているはずです)。
折角時間をかけて作ったのにきちんと印刷できないのなら意味がありません。
オフィス系のソフトはパンフレット制作には作業性が悪すぎる
さらにDTPソフトとして作られていないため、パンフレットをレイアウトしていこうとすると文字が揃えづらかったりと作業性がとても悪いのです。
それでも一生懸命作り込む人もいますがはっきり言ってかけた時間に見合うだけ仕上がりにはなりません。
さらに時間をかけて作ったのに作り込めば作り込む程オフィス系のソフトはレイアウト再現性が悪くなるという悪循環です。
フチまで印刷することが難しい・・・
さらに少し専門的なことを書くと「裁ち落とし」が作れないのです。
ワードやエクセルで全面に色を引いたり、画像を貼って印刷してみて下さい。きっとフチが白くなっていると思います。
これは一般のプリンターのせいでもあるのですが一般のパンフレットはフチまできちんと印刷されていますよね?
あれは実は必要なサイズよりも余分に印刷して後から切り落としているのです。この部分を「裁ち落とし」といいます。
印刷会社で印刷を依頼する場合はこの「裁ち落とし」をつけることでフチまで印刷することができているのです。
一般に「裁ち落とし」は3ミリつけることになっています。少し断裁がズレても白い部分が出ないようにするという印刷会社の自衛策?も兼ねています。
オフィス系のソフトでは「裁ち落とし」つけることがシステム上できないのです。
オフィス系のソフトはあくまでパンフレットの原稿制作のためのツールとして使ったほうがいいでしょう。
ネットの印刷会社のデザインテンプレートを使いましょう
ネット印刷は現在多くの印刷会社が参入していますが一部の印刷会社ではwebサイト上で編集できるデザインテンプレートを用意しています。
それを使えばツールが無くてもパンフレットを自作することができます。
ラクスルは会員登録さえすればデザインテンプレートを利用することできます。編集画面の使いやすさも一番です。
まずラクスルのトップページにアクセスします。
青丸の部分をクリックします。
するとデザインテンプレートが出てきます。
業種やキーワードで選ぶこともできます。
無料でここまでの編集機能が使えるなんて驚きです。
基本的に折パンフレットだけの対応になりますがそれでもきちんと印刷会社で印刷したパンフレットを簡単に作ることができます。
費用は印刷代だけなので部数にもよりますが大体15,000円~20,000円もあればパンフレットが作れてしまうのです。
すごい時代になったものです。ただしこれはあくまでどうしても予算がかけられない場合の代替案です。
「裁ち落とし」もあり、印刷的にはきちんとしたデータは作れはしますがあくまでテンプレートデザインです。
細かい融通は効きませんし、自分たちの持っているイメージや内容に即したパンフレットをデザインすることはできません。
テンプレートデザインなので同じようなデザインのパンフレットがたくさん作られることになります。
そのあたりのことを理解した上でどうしてもパンフレットを自作しなければならない場合に使ってみてくださいね。
因みにチラシのデザインテンプレートもありますのでチラシも必要という方にもおすすめです。
原稿の書き方は今後このサイトでも紹介していきます。
パンフレットの紙の選び方は部数の決め方はこちらのご覧ください。
まとめ
・ワードやエクセルなどオフィス系のソフトはパンフレットを作るには作業性やシステム的な問題を抱えているので避けましょう。
・ラクスルのデザインテンプレートは特別なツールも必要なくきれいにデザインできる。パンフレット以外にチラシも制作可能です。
・デザインテンプレートの問題は置いておいて事情があってどうしてもパンフレットを自作しなければならない人にオススメです。
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