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元制作会社の人間が教えるパンフレットの作り方

パンフレットの作り方 業界裏話

制作会社の考えていること

更新日:

 

 

 

相手のことを知れば交渉をする上でいろいろなカードを持つことができます。交渉をする際に知識を持っていないということは圧倒的に不利なるからです。

前回書いた印刷会社よりも恐らくやり取りすることが多い制作会社ついて書きます。

 

制作会社のビジネルモデル

制作会社のビジネスモデルは、そのままデザインということになりますがその成り立ちによって若干中身が違います。

あまり知られていないですがこの業界では専門分野が素人の方が思っているよりも細かく分かれています。

そのためどこの分野から始まったかによって強みだったり、外注比率による価格の違いに繋がってきます。

まず専門分野の切り分けですが下記のようになります。

・グラフィックデザイナー
⇒紙面のデザインを行います。
あくまでデザインだけなので必要な文章、写真、イラストといった素材は支給してもらって初めて作業が可能になります。言うなれば料理人のようなものです。

・イラストレーター
グラフィックデザイナーでも簡単なイラストであれば描ける人がいるのでよく誤解を受けますがイラストレーターとグラフィックデザイナーは別物です。

・ライター
パンフレットに掲載するキャッチコピーや文章を書きます。

・カメラマン
パンフレットに使う写真をとります。得意不得意がやっぱりあってものを取るのが得意なカメラマン、人を取るのが得意なカメラマンに分かれます。

一口にデザイン会社(制作会社)といってもライターから始まった会社もありますし、純粋なグラフィックデザインから始まった会社もあります。

グラフィックデザインから始まった会社は基本的にライターやカメラマン、イラストレーターは在籍しておらず外注していることが多いです。

ただグラフィックデザインから始まった会社こそデザインに重点をおいていますので当サイトのコンセプトからは一番狙え目の制作会社ということになります。

ライターから始まった会社はライティングをしている中でデザインも請け負うようになったという成り立ちをしているので重点はライティングに寄っています。

 

小規模の会社が多い

制作会社は基本的に大きな設備投資は不要です。PCと人員だけいれば良いのですから。
しかしその事業内容上人に対する依存度が高くある意味で従業員に投資しているような状態です。

また一つ一つ手を動かして制作していることに変わりはなく、効率は悪い仕事であることはたしかです。

儲からない仕事といっても過言ではありません。
その証拠?にデザイン会社は基本的に小規模なところがほとんどです。
また経営基盤についても脆弱な会社が多いです。
webサイト等で一見規模が違いそうに見えてもよく調べてみるとそんなに規模的には違わないということもよくあります。

ボクは競合調査をしたことがありますが経営状況はどこもにたり寄ったりでしかも、経営的に楽そうというより苦しそうというところの方が大半でした。

まあ、当たり前でしょうか。
人に依存している上に生産効率は悪く、業界全体に価格の下げ圧力掛かっており、レギュラーでやっている案件は毎年値段が下がっていくことも珍しくありません。
これでは儲かるわけありませんよね。

これはボクがいた会社も同じようなものでしたが・・・。

ボクがこんなこというのも変ですがこれからこの業界に入るのは余程好きでもない限りやめたほうがいいです。

 

特定の業種または顧客に依存している

これは制作会社に限らず、日本の中小企業ではよくあることですが特定の業界や顧客に依存していることがよくあります。

特に小規模の会社が多いこの業界では依存度の高く、依存している顧客が離れられてしまうことで倒産の引き金になることがよくあります。

ボクの現役時代にもそういう話をよく聞きました。

 

その他制作会社の裏話

意外と印刷を知らない

デザイン会社は紙を扱っているの印刷に詳しいと思うかもしれませんが実際のところ印刷に詳しい人間は思ったよりいません。

印刷は外注に出しているので印刷機すら見たことのない営業もいるぐらいです。
ボクが現役時代にこういう人が社内外問わずかなりいたのでまず間違いないと思います。

パンフレットや会社案内等紙を扱っている以上本来印刷を知らない様では話にならないのですが実際のところこんなものです。

 

印刷の価格交渉は難しいかも

印刷までを依頼する場合、出てきた見積もりについて交渉するのは難しいかもしれません。
印刷は当然ながら外注です。

最近は競争が厳しいのでほとんど利益を乗せていないことが多いです。

 

制作費は丼勘定?

前にも述べたように小規模な会社が多いので経営的な数字指標を使っていることは稀です。

案件毎に掛かっている時間等を計測するシステムもないため、見積もりの作業量については丼勘定になっていることが多いです。

印刷会社と同様にクライアント毎に違う見積もりを出しています。

ただし制作会社も丼勘定で成り立つほど甘い業界環境ではなくなってきているので売上高だけでなく利益率を重視する会社も増えています。

 

価格交渉のポイント等

無形のものであっても正当な対価を支払うべきだと思います。
特に日本はデザイン等の知的生産に対する評価が諸外国よりも低い気がします。

とはいえ発注サイドに立つと適度な価格交渉はアリだと考えます。
予算の関係で価格交渉が必要な際にポイントになりそうなことをまとめました。

複数の見積もりをとっておく

当たり前ですが価格交渉の材料として見積もり条件を揃えた(同じ仕様にした)見積もりを2-3社分用意しておくとよいでしょう。

もし可能であれば繁忙期を外した時期に発注を出すという手もあります。例えば年末や年度末以外の時期、5月の後半や8月や2月等あたりは案件が少なくなっており、売上確保に必死になっている制作会社も多いです。

こういった時期の月末を狙うのも手です。
なお、繁忙期については相手の状況によりズレてきますので先程書いた例が必ずも全てに当てはまるわけではありません。

また今後発注を出すといった曖昧なものよりもパンフレットを4冊同時に発注するといった実が伴った条件を提示した方が相手も交渉に乗ってきやすくなります。

譲歩を引き出しにはこちらから譲歩を出さないいけないということです。

値引き交渉はしてもいいですが過度な値引き交渉は禁物です。
無形のものなのでいくらでも値引きができそうに思えますが逆にデザイン会社からも値踏みされていることを忘れないでください。

ボクも過度に値引きを要求してくるクライアントには深入りしないことにしていました。過度に値引きをしてくるクライアントに限って要求が過大だったり、制作自体にやる気がないことが多かったからです。

経営的にまっとうな制作会社であれば過度な値引きに応じてまで制作するを必要がないので値引きに応じるラインをここまでと最初から決めていることが多いです。

逆を言えば過度な値引き交渉にズルズルと応じる制作会社は経営的に厳しく、安くてもいいから受注して資金を回していく負のスパイラルに入っている場合が多いです。

もしそうだったら最終的に誰も得をしないですよね。

というわけで価格交渉も何でも程々が一番です。
制作費ついては相場を知ってその範囲に入るのなら良しとしておいた方がいいでしょう。
相場についてはこちらの記事も参考にしてみてください。

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まとめ

・・・というわけであくまで個人の感想です(笑)。
(業界を離れたので割と好き勝手書いてしまいました。なので↑のように書いておきます。)

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