目次
製本とは
パンフレットを仕上げる最終加工
パンフレットは大きな紙1枚の紙に一見不自然な順番でページが並んでいる状態で印刷されます。
これを最終的に読みやすい形に加工する=製本というわけです。
どんな加工(製本方法)があるのか
最も簡単なもので言えばトンボで切り落として仕上がりサイズにする化粧断ちという断裁加工があります。
しかし紙一枚のペラを対象にした加工なのでパンフレットの加工といえないでしょう。
パンフレットに適した製本方法は以下のようなものがあります。
・折化粧
・中トジ
・無線トジ
主だったものは以上のようなものになります。
選び方と費用感
まず製本方法を選ぶには製本方法特性を理解しておく必要があります。
・折化粧
紙を折って三方(上下と開く方の側面)を断裁しています。
パンフレットに用いられる製本方法としては簡単部類にはいります。
紙をおるタイプなので4Pと6Pのパンフレットによく使われます。
少し珍しいですが8Pのパンフレットに使われることもあります。
・中トジ
見開きの紙を重ねて背の中心あたりの2箇所を針金で止める製本です。
週刊誌や家電のパンフレット等にもよく採用されています。
実際には大きな紙を折ることで紙が重なるようになっています。
ページが順番通りになるように特殊な配置で各ページを配置していきます。これを面付けといいます。
この面付けを間違えるとページが順番通りに並ばなくなります。知られていないだけで割と起きてるミスだったりします(笑)。
8Pの以上のパンフレットに採用される製本方法ですが前述の通りを上から重ねていく方法のため、一番内側にあるページ突き出る様になってしまいます。
仕上げの時に外側の紙が仕上がりサイズになるように三方断裁してしまうため、内側のページは小さくなってしまうことになります。
つまりあまりページ数が多く、厚い紙を使ったパンフレットには向かない製本です。
中とじで厚紙を使いたい場合は一番外側(表紙周りを)のみ厚紙にしてそれ以外を普通の暑さの紙を使うと言う方法があります。
・無線トジ
背を接着剤でとめて表紙でくるむ製本です。
中トジと違い紙を折ってできた束(16P単位)を並べて接着するためページ数が多い分には問題なく製本することができます。
逆にページ数が少ないと接着剤が上手く回らないので紙が抜け安くなります。
単行本等に採用されています。
見た目は一番いい製本です。昔は一番コストが掛かる仕様でしたが印刷通販の登場で中トジとさして変わらなくなってきました。
但し、表紙に上の厚さ分の「背」をつけないといけないので制作するページ数に合せて紙の厚さを計算しておかないといけません。
そういう点では少し玄人向けともいえるでしょう。制作会社の人間でもこの点を失念している人が結構います。
中トジと無線トジの使い分けですが、紙の厚さを調整すれば中トジでもある一定ラインまで製作といえばそうなのでざっくりとした目安を言うと64Pぐらいです。
64P以上であれば無線トジで製本した方がいいでしょう。
さて費用感ですが一般に中トジや無線トジはページ数が多いのでどうしても高い傾向があります。
大雑把に比較するなら下記のような順番です。
折化粧<中とじ<無線トジ
です。但し同じ折化粧でも8Pタイプは両観音折と言って対応できる折機がすくなく手間がかかるのでこの様になります
中トジ(8P)<折化粧(両観音折8P)
製本はやろうと思えば何でもできる
紙を織り込んだり、サンプルを貼り付けることもできる
ここまでパンフレットに採用される一般的な製本方法をご紹介してきましたが長い紙を織り込んだり、製品パンフレットに製品サンプルを貼り付けたりと製本というのはやろと思えばなんでもできるのです。
極端な例を上げるとパンフレットに小型のディスプレイを仕込んでパンフレットを開くと動画の再生がはじめるといったこともできます。(ボクが現役だったころ実際に相談を受けたことがありました。)
特殊加工もあり
さらに表紙にビニールを貼るPP加工や金箔を押し付ける箔押し加工、特殊なインクを用いて文字や柄を浮き上がらせたり、スポンジのようなにしたり(発泡印刷)する特殊加工もやろうと思えばできます。
インクの中に香料を混ぜて匂いをつけることもできます。
まさにやろうと思えばなんでもできます。
もちろんイレギュラーなことをすればするほどコストはかさんでいきますが・・・。
こういった特殊な製本や加工は印刷通販では対応できず、営業をおいている印刷会社に依頼する必要があります。
まとめ
奥が深いのが製本ですがまずはオーソドックスな折化粧、中トジ、無線トジを覚えておけば大丈夫です。
制作するパンフレットのページ数や予算で選んでみてください。
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