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元制作会社の人間が教えるパンフレットの作り方

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パンフレットに使う紙の裏話

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紙の値段は上がっている?

制作会社や印刷会社と付き合いのある人は印刷用の紙の値段が上がったという話を聞いたことはないでしょうか?
それも割と頻繁に値上がりしていておかしいと思うことはないでしょうか
印刷会社が値上げしたいだけなのかもと思われるかもしれません。

この10年ほど紙はずっと値上がりしている

実はそれは一社の印刷会社だけの問題ではなく業界全体で値上げが続いているのです。
それもここ10年ほどはずっと値上りしています。

思い起こせばボクが現役時代から今まで紙の値段は上がり続けています。
理由は紙の原材料の高騰から為替変動、燃料費の高騰まで様々です。

 

直近で大幅な紙の値上げがあった

元同僚等仲間内からの情報によると今年の3月頃から大幅な紙の値上げがあったそうです。しかも最も使用される一般紙(マットコート紙等)が集中的に値上げされたそうです。
もともと量産されていてどこでも手に入るものだったので今まで値上げができてなかったこともあるのかもしれません。

しかしダメージは大きくどこの印刷会社でも顧客に値上げの申入れをしたそうです。

 

恐らく紙の値段は下がらない

値上がりしている紙ですがこのまま値段が下がるようなことはないのでしょうか?
恐らく値段は下がらないと思います。

今まで為替変動で円高になったり円安になったりしてきましたがこの間紙の値段が上がっても下がることはありませんでした。

また実は製紙会社の生産量の問題からも紙の値段が下がることは多分ないと考えています。
ここから更に業界の裏話になります。

 

製紙工場のこれから

実は今年の3月の値上げについては2018年の年末あたりから年明けにかけて業界で情報が流れていました。

 

3月の紙不足

製紙会社は値上げに向けて生産調整に入っているという話でした。
そんな状態でしたから印刷が最も混み合う3月には紙不足が起こりました。
どこにいっても紙がなかったそうで用紙店(製紙メーカーと印刷会社の間に入る卸売業者のようなもの)の知り合いは輸入紙まで探していたそうです。
こんなにひどいのは東日本大震災以来です。

 

製紙会社はこれ以上生産量を増やさない

ボクも様々なところから紙がないという話を聞いておりましたが衝撃的だったのは製紙会社がこれ以上生産を増やさない方針であるということでした。
これ以上生産を増やしてもマネタイズできないので増やさないそうです。

案の定紙不足は長期化しました。恐らく今後も需要期には紙不足が起こるものと思われます。

ボクは単純に紙不足の問題だけでなく、こういう部分に日本という国の衰退を感じました。
これまではずっと成長を続け、生産力は拡大していくものというのが常識だったのに増産をやめるというのです。

日本の経済は一度落ち込んでもいつかまた成長していくと漠然と思ってきました。
しかしこれからはそうではなくなるというターニングポイントがまさに今来ている様に思えます。(思い起こしてみると他にも符号するようなことがあるのではないでしょうか)

 

輸入紙の品質向上

「日本の紙の品質は世界一」の洋書を手にとったことのある人ならそう思うと思います。
確かに日本の紙の品質は高く、安価です。

ボクが現役時代に何回か輸入紙を扱ったことはありましたがコシがなかったり、規格より薄かったり、はたまた梱包を開けたら虫が入っていた等品質はよくありませんでした。

しかし最近になって輸入紙の品質は大分良くなってきています。

実際ネットの印刷会社のほとんどは輸入紙を使っているそうです。
私が知っている限りでは一時期芸能人をTVCMまでうっていたB社は中国で紙を作らせていました。

たまにパンフレットの制作を手伝っているので他のネットの印刷会社の印刷物を手にしてみると輸入紙と思われるものが結構あります。

輸入紙が悪いと言っているわけではありません。
国産紙が少ない上、品質が向上している上安くできるのであればそれも選択肢として考えるべきだと思います。

一方で需要期の紙不足を支えるほど輸入紙が入ってくるわけでもないようです。
確かに安い輸入紙ではありますがそれは国産の紙が諸外国と比べて安いからみたいで日本国内の市場に大きく切り込む程の旨味がないみたいです。

なので恐らく今後も需要期(年末や3月など)に紙が不足する可能性はあると思います。

早めに発注することや最も品薄になる110kgの紙を避けるなどの自衛も必要になるでしょう。

 

まとめ

・紙の値上げは業界全体に起きていること→仕方がないことです。
・国内の紙の生産量はもう増えないので紙の値段が下がる可能性は低い
・国内の紙の生産量が増えない上輸入紙が沢山入っていくる訳ではないので需要期には紙不足が起こり得る

 

今回はかなり業界のディープな裏話になりました。
(ディープ過ぎてどこまで需要がある話かはわかりませんが・・・笑)

 

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